この記事は Retty Advent Calendar 2020 25日目、最後の記事となります。
はじめに
アドベントカレンダー最後の記事は昨年同様VPoEのkosakoが担当致します。
このタイトルとフォーマットにしてから今年で3年目となります。今年は少し違う形にしようかとも思いましたが、改めて書かれた記事を見ていいチームになったなと思ったのこともあり同じタイトルにしました。
今年のRetty Advent Calendarはエンジニアだけでなく、デザイナーやプロダクトマネージャーなども巻き込んでみましたがいかがだったでしょうか?
例年より広くRettyのことがわかる内容になったのではないかと思います。
この記事ではコロナ禍の中でRettyがどのように決断し実行していったのか、そしてどんな組織になったのかといったことをご紹介いたします。
2019年の記事の振り返り
2019年は結果を出せる組織にするためにLeSSの導入や組織の再編など大きな変化への挑戦をしていた年でした。
既存のマネジメントの課題や新たな問題も出てきたものの、致命的な問題は解決、もしくは解決する見込みがある状態まではできたと言えると思います。
2020年 Rettyの出来事
- 2-3月: コロナの感染拡大
- 3月: ほぼフルリモートへの移行
- 4-5月: コロナによる事業への影響がではじめる
- 4-10月: Go To Eatキャンペーンへの参画と過去最大規模の開発
- 10/30: 東証マザーズへ上場
大きな出来事はこのような時系列になっています。
コロナの感染拡大とフルリモートへの移行
年初のまだ感染が広がっていない時期はUXリサーチ、MLといった分野への投資などを行い今後のサービスの成長の方向性を模索していました。
その後、3月に入り感染拡大とともにリモート推奨 -> フルリモートと移行していきました。
同時に新卒の入社があり、受け入れや研修をどのようにするかといった議論も多くなされています。
幸いなことに、エンジニア組織では中途のonbordingのためのワーキンググループがあったためそこで新卒のonbordingについてしっかりと議論しすすめることができました。
詳細はこちらの記事をご覧ください。下の方には新卒が半年経過した振り返りの記事へのリンクもありますので、是非見比べていただけると新たな発見があるかと思います。 engineer.retty.me
コロナによる事業への影響
コロナ禍による緊急事態宣言があり、サービスのトラフィックが激減したのが3月からでした。
その中で全社でサバイバル100日プランを策定、約半年(100営業日)で売上回復のためのアクション、コスト削減、コロナ後のための打ち手などを決めて実行に移しています。
開発部門のキックオフでは売上も含めた数字の共有を改めて行い、状況を正しく理解してもらった上で以下の方針を伝えています。
- 意思決定の速さを優先する
- やることを絞る
ワーキンググループなどで議論を重ねて結論を出していくスタイルをこの2年続けていましたが、この半年はトップダウンで決めていくこと、生き残るために「今」必要なことに集中していくことを伝えました。
実際に刻一刻と変わる状況の中で、必要に応じて半月・一ヶ月といったスパンでアサインの変更も行っています。
やること絞ったものとしては、ワーキンググループ等で行っていたものは優先度を見直してやらないものを決め、一方で再開するための大体の基準などを伝えるといったことをしています。
最近ではすべてではありませんが、徐々に再開しています。
開発について
開発部門ではGo To Eatキャンペーンへの参画のための開発にほぼすべてのリソースを振り向けました。
それ以外のところでは、2019年末あたりからRetty Orderというモバイルオーダーシステムの開発を行っており4月にβ版のリリースを計画していました。
しかし今困っている飲食店のためにできることはなにか?と考えた結果、急遽テイクアウトのサービスに方向転換をして一ヶ月程度でリリースをするといった動きもありました。
その後、MOの開発を再開し現在はサービスの提供を開始しています。 詳細は開発リーダーの諏訪の記事を御覧ください。 engineer.retty.me lp.self-order.retty.me jp.techcrunch.com
サバイバル100日プランの結果については上場時の記事をご覧ください。
careerhack.en-japan.com japan.cnet.com note.com
Go To Eatキャンペーンへの参画と過去最大規模の開発
note.com note.com engineer.retty.me
こちらの記事に詳細がありますが、Rettyとしては過去にない規模かつ開発分野としても知見がないプロジェクトでした。
一つ幸いだったことは、Rettyでは2019年よりLeSSを導入しており全社横断での大規模プロジェクトを行うための下地がある程度整っていたことです。
正直なとこ一年前の組織であれば無事にリリースするのは難しかったかも知れません。
LeSSへの移行については2021/1/6にRegional Scrum Gathering Tokyo 2021で発表しますので、よろしければご覧ください。
東証マザーズへ上場
Go To Eatキャンペーンの開発がやっと落ち着いた10/30、Rettyは東証マザーズに上場しました。
このような様々な出来事が合った中での上場、ほんとにみんなで頑張り成し遂げたものだと思います。
組織面での振り返り
2020年は組織面からどのような変化があったかも見ていきたいと思います。
組織全体への波及について
Retty Developer Team 2019 - Retty Tech Blog
昨年エンジニアリング部門での取り組みが、組織全体へ波及してきつつあるという話を書きましたが2020年はその成果が目に見える形で現れてきました。
評価制度
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評価制度はエンジニア、デザイナー、プランナーで実際に運用されるところまで来ました。 それに伴い、スキル定義などもより明確になりつつあります。
アジャイルへの理解と取り組み
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社内でのアジャイルの勉強や、発表なども増えておりエンジニア以外でも振り返りやリファインメントがどうあるべきかといった議論がされるようになってきています。
チームというキーワード
この記事のタイトルにあるDeveloper Teamですが、成果を出せるよいチームにしていきたいという想いが込められています。
2018年時点では組織コンデションも決して十分ではなく、なんとか悪化するのを食い止めたといった状態でした。
改めて、今年のアドベントカレンダーを見てみるとチームに関する記事が非常に増えました。これは組織全体としてチームワークにちゃんと取り組めるようになった証ではないかと思います。
note.com engineer.retty.me engineer.retty.me engineer.retty.me
スクラムへの移行は広告コンテンツ部門でも進んでおり、FDPの開発などにも効果がありました。
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この一年での変化
対話(ダイアログ)の機会が増え、本質的な話をする機会がかなり増えていると感じています。
結果として工数の調整などの駆け引きが減り、コトへ向かうことができるようになってきています。
もともと会社としてフィードバック文化を大事にしていましたが、そこまで踏み込んだフィードバックができていない面もありました。
現在ではお互いのことをちゃんと見て、フィードバックし合うことができるようになってきています。
これからの課題
もちろん、全て順調というわけではなく解決できない課題も、新たに出てきた課題もあります。
- まだアウトプット重視になっており、アウトカムへの意識が足りていない
- 職種間コミュニケーションの問題がちらほら見受けられる
- 組織としては不安定な状態から安定した状態へは移行できたが、非連続的な成長とまでは言えないし、まだその道筋が見えていない
これらの課題は来年また一つ一つ解決していきたいと思います。
最後に
一年前はこんな年になるとは全く思っていませんでしたが、終わってみると色々ありながらもみんなの成長と頑張りで乗り越えられた一年となりました。
昨年同様に一昨年、昨年の記事の最後に書いた指針を振り返ってみます。
2019年の指針
2019年は今年取り組んだことをしっかり継続させていくこと、そしてその上にさらなる挑戦を積み重ねていくことが大事だと思っています。
2020年の指針
一貫して取り組んだこととしては、チームで継続した成果を出せるような組織にしていくことです。
結果としては「チームで継続した成果を出せるような組織」といったところはかなり近づいたのではないかと感じています。
今年はあまり先のことを考えにくい一年でしたが、改めて来年の指針を考えてみました。
アウトカムに向き合い、非連続な成長をしていける開発組織への変化を目指す
これまでの積み重ね、メンバーの成長を土台としてサービスの価値を一段も二段も引き上げられるようなチームしていきたいとおもいます。
また途中経過はこのブログやnoteなどで見れると思いますので、ご覧いただけたら幸いです。
それでは本年もRettyをご利用、応援してくださったみなさまに感謝して、アドベントカレンダーを終わりとさせていただきます。