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1年間のデータアナリストインターンを通して実感した仕事に対しての3つのギャップと学び

この記事は Retty Part2 Advent Calendar 2021 の19日目の記事です。

はじめに

こんにちは!2022年4月にRettyのデータアナリストとして入社予定の今井です。

突然ですが、職場や学校を入る前と後で抱いていた印象が違ったり、初めて会う人の第一印象とその人と仲良くなった後の印象が違うことはありませんか?
この記事では、約1年間のインターンを通して実感した仕事に対しての自分はこう思っていたが実はこうだったという「ギャップ」とそこから得られた「学び」について書いていきたいと思います。
今回はあくまで一人の大学生がデータアナリストという職域を通して感じたことを書いています。Rettyにおけるデータアナリストの職務内容については以下の記事を参考にしていただければと思います。

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自己紹介

私はRettyと出会う前、ITベンチャー企業で半年ほどインターンをしておりそこでの一つの業務でデータを扱う仕事を経験したことがきっかけでデータ分析に興味を持ちました。 そして、それからRettyに長期インターンとして入り仕事をしていく中でデータアナリスト職や企業文化に魅力を感じ最終的に入社を決意しました。
過去から現在まで営業部門や海外事業、ネット予約関連など幅広いドメイン分野の分析に携わらせていただいています。
あと、好きな食べ物はちばから蒲田店(蒲田/ラーメン) - Rettyです。世界で一番好きです(笑)。

仕事に対しての3つのギャップと学び

①ギャップ:仮説はそう簡単に当たらない

私は分析チームに配属され始めた頃、とあるUUに関する分析に携わりました。分析依頼者との最初のMTGで「ここのUUが伸びている要因はこの要素にあると思うから調べて欲しい」と言われ分析を進めました。しかし、いざデータを出してみると想定した仮説が外れました。
さらにその結果をもとに次に浮かんだ仮説に対して分析を進めてもことごとく外れて要因が特定できない状況でした。 そんな状況の中、私は焦りを感じました。理由は依頼者の仮説はきっと正しいと思っていたからです。
依頼者の仮説は正しく、想定された結果が得られないのは自分のせいだと思い込み誰にも相談せず何時間も悩み込んでしまいました。

学び:想定される結果が出てこないという事実自体が貴重な発見である。

そんな悩み込んでいる中、メンターとの1on1で現状を相談したところ「今やっている方向性では要因は特定できない。だから別のアプローチで調査をした方がいい」という解釈をして依頼者に提言をすればいいのではないかとFBをもらいました。そしてそのFBを吸収した結果、依頼者とのMTGで「ここまで深堀して分からなかったから別の方向性で考えることにしようか」という結論になりました。仮説はあくまで切り口に過ぎず、外れたことで軌道修正に向けた動きが取れるという解釈を持つことができれば長時間悩まずにすぐに報告できたなと反省しました。

②ギャップ:期待されるアウトプットのすり合わせにちゃんと時間を使う

アウトプットイメージ図(数値はダミー)
私はインターンをやる前の考えとして仕事の依頼が来たら自分で試行錯誤をして着々と作業を進めた方が早く終わるかつ評価もされると思っていました。
しかしインターンに参加後、作業に入る前に依頼者から期待されるアウトプットのイメージを作るというプロセスの重要性について口酸っぱく言われました。 最初はあまり納得感がなかったのですが、とりあえず言われた通りにアウトプットイメージを作業前に取り入れてみるとその重要性に気づくことができました。
重要である理由は単純に一度の説明だけでは依頼者のやりたいことを分かっているようで分かっていないからです。

相手のやりたいことを分かったつもりのまま作業を進めてしまうと2つのことが起きます。
1つ目は認識のズレです。
例えば、依頼者に口頭で言われたAという指標の定義がセグメントや抽出期間によって複数存在するケースは多くあります。そんな中、相手のやりたいことから考えて自分の判断で定義を決めてそのまま作業に取り掛かってしまうと、もし間違えていた時に手戻りが発生してしまいます。実際に私も経験し苦い思いをしました。

2つ目はより良いアウトプットへの機会損失です。
人は思考が可視化されると整理されて新しい視点やアイデアが持てるものです。
私は過去に文章で仕事を依頼された際にそれを元にアウトプットイメージを作成しすり合わせMTGをしたことがあります。その時にアウトプットイメージを介したことで依頼者のやりたいことの解像度を高められるコミュニケーションが取れ、目的から必要な指標を追加するなどの動きを取ることができた経験があります。
もしこのすり合わせをせずにデータ抽出作業に取り掛かっていたら理想のアウトプットから離れていたと思います。

学び:アウトプットイメージをすり合わせることで認識のズレ防止やより良い方向性に修正できる。

上記で記述した「認識のズレ」と「より良いアウトプットへの機会損失」を防ぐためにアウトプットイメージを作成し依頼者とすり合わせるという動きの重要性について学びました。
特にこのプロセスはあいまいな依頼ほど必要になってくると思います。
仕事の依頼というのは常に依頼者のやりたいことの具体性が高いとは限りません。相手もまだわからない部分が多い状態だと依頼を受けた側の解像度も上がりません。そういった中で、二人三脚で一緒に考え理想状態に近づいていくためにもアウトプットイメージをすり合わせて何度も壁打ちしていくことが重要だと考えています。

③ギャップ:関係者の仕事内容への理解が重要

私は元々仕事で活躍できる人材は頭の回転が速かったり、高い技術力を持っている人だと思っていました。
しかし、それだけでは足りないことをインターンを通じて感じました。 データアナリストというのは職種柄いろんなステークホルダーの意思決定を支援します。その際、分析結果を解釈する時や意思決定者に提言する時に自分なりの仮説が必要になってきます。
ところが、相手がどのKPIを追っていてどの領域に責任を持っているのかなどの相手の仕事内容を知らずにこの仮説を考えようとすると筋の悪いものになったり、そもそも仮説が思い付かず行き詰まったりすることがありました。実際にMTGでの自分の提言が依頼者からの共感を得られないシーンはしばしばありました。
そこで要件ヒアリングなどの段階で分析を通して具体的に誰がどういう動きを取れそうかという質問をする心がけをするようになりました。その結果、以前よりも解釈や提言の質と量が増えた気がします。

学び:関係者の仕事内容への理解度がアウトプットの質を左右する

上記の記述から、仕事で価値発揮するためにはハードスキル以外にも一緒に働く仕事仲間への理解が重要であることを学ぶことができました。 そして、依頼者の仕事内容への理解度を高めるためにはMTG以外でのコミュニケーション量を増やしていく必要があるのではないかと最近感じています。
というのもMTGというのはすでに話すアジェンダが決められておりそれに沿って無駄なく進行していきます。そのため、MTG中に相手のことを知る質問や会話は緊急度が低くしずらいものです。そういった状況の中でも依頼者の仕事内容への理解度を高めていくためにはオフラインでの雑談や1on1などのアジェンダのないコミュニケーションが大切なのではないかと思い始めています。

おわりに

すでに社会人として活躍されている方にとっては当たり前のことかと思いますが、インターン時代にこの基礎的な考え方について学べたことは貴重だと思っています。 来年は社会人としてより大きな仕事ができるように上記の学びを忘れず日々精進していきたいと思います。