Retty VPoE(VP of Engineering : 技術部門のマネジメント責任者)の常松です。 VPoE通信は「開発のトップとして今何を考えていて、どう動こうとしているのか」の定期発信企画で、今回が2回目です。
VPoEの管掌は技術組織のマネジメントまでが一般的かと思いますが、2023年4月からは企画・デザインも含めた開発組織全体を見る役割を担っています。
それはVPoEの仕事なんですか?
この1年仕事をしていて「それはVPoEの仕事なんですか?」とメンバーから問われる機会が幾度となくありました。 事業戦略の立案・KPI設定・予算配分といったトップダウンでの決め事もあれば、会議体の見直し・組織責務の明確化・業務プロセスの整理といった現場に近いところでの業務サポートも行っています。疑問は主に後者に対して向けられたものでしょう。
開発組織全体を預かる立場としては、俯瞰して見つけたボトルネックを継続的に解消していく動きが求められると考えています。 実際にとった行動のいくつかは自分でも記事にしたり、アドベントカレンダーでメンバーも言及してくれました。
- Rettyのプロダクト・組織のいま|Retty株式会社 (プロダクトマネジメントが向き合う課題の整理と組織化)
- デザイナー組織化を目指した、小さな一歩と大きなゴール|はせがわ (デザイナーの組織化)
- マネージャーからICにロールチェンジしたからこそ見えた景色|ちょくや (リードエンジニアへの期待値と役割の整理)
- User Happyを掲げるRettyでCSチームがユーザーさんのために取り組んでいること|はやかわ (カスタマーサポートとプロダクト開発の接続)
「組織で足りていないところを補う動きをする」や「組織に必要な機能を考え続ける」とも言えます。 12月に公開されたいくつかのネット記事でも、こう言った話が言及されていました。
- Engineering Managerという役割がなぜわかりづらいのか - KAKEHASHI Tech Blog
- 職種やタイトルというラベルに振り回されず、組織に必要な機能を考える。 - フジイユウジ::ドットネット
でもこうした動きはVPoEや開発のトップじゃなくてもできるはずで、その役割を担える人皆でやっていくべきです・・・それはそう。
戦略の失敗は戦術で補うことはできない とは言いますが
立場が上になるほど「中長期の戦略を考えることに時間を使い、会社や事業がどこに向かっていくのかを明確にして欲しい」という要望を受けます。 数年スパンでふりかえると「あの時の決断で事業の成否が分かれた。戦う市場やとるべき戦略を間違えていた」と気がつくことは簡単です。 なので将来を間違えないために余計にトップダウンの戦略への期待値が上がります。 中期計画を策定したり、ビジョン・ミッションを語ったり、採用を頑張ることが具体的なアクションになるでしょう。
一方で、日々の業務において戦術を推し進めるのは人やチームです。 「戦略は間違いなかったのに、戦術がヘロヘロしていて失敗してしまった」という話は不思議と聞きません。 戦略の確度を高めるにも、戦術を着実に進めてそこから得られた学びを取り入れることは不可欠なはず。 したがって難しい課題に対しても安定した推進ができるよう、組織力の向上やメンバーの育成は重要な課題です。 開発のトップとして・VPoEとして、ここに大きな役目を感じており、自らも関与することで改善スピードを早めようとしています。
なぜ組織を整えるのか
「プロダクトを大きく変える力を生み出すため」です。
Rettyはサービス開始からもうじき13年になり、プロダクトの大きな形は固まっています。 「サービスがまた少し使いやすくなりました」と継続的に価値を出していくのは大事ですが、1年も2年も繰り返した先にユーザー・お店・ステークホルダーが求めているものはないでしょう。 今のプロダクトを疑い、リスクを取ってでも変えていくことを中長期では期待されているはずです。
「Rettyはプロダクトが大きく変わって良くなったね」こう言ってもらえる成果を出すには個人の力ではとても足りません。 この1年間で組織の土壌は随分と変わってきました。 まだプロダクトに見える変化は小さいかもしれませんが、変えていくんだという強い気概を皆で持てています。
この記事はRetty Advent Calendarの25日目の記事でした。 来年もRettyでは note / Retty Tech Blog / 勉強会開催 / 外部登壇を通じて積極的なアウトプットを継続していきます。
2024年のRettyにもご期待ください。