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ユーザーインタビューのカタ - Rettyでのリクルーティングプロセス -

この記事は UX Research Advent Calendar 2021 の10日目の記事です。

adventar.org

はじめに

Rettyでデータアナリストをしている松田です。

ユーザーインタビュー、実施していますか?「重要性は理解しているけど実際に行うのは大変そう」「準備がけっこう大変なんだよなぁ」という方もいらっしゃるかと思います。

インタビュー準備の中でも、リクルーティングは慣れるまでは手探りになりやすく、日数も必要です。実際にインタビューへたどり着くまでの大きなハードルだと感じている方もいるのではないでしょうか?

そこで、本記事ではユーザーインタビューのリクルーティングに焦点を当てて、Rettyで実際に行なっているプロセスをご紹介します。

要約

リクルーティングプロセスは大部分を定型化することができます。

インタビュー打診、スクリーニング方法、連絡方法とその内容、当日の対応、情報管理といった運用フローをカタ化しておくことで、迷いなく実施できるようになりスムーズにリクルーティングできます。

また、インタビューまでのハードルを下げておくことで、社内でインタビューできる人を増やすことにも繋がります。

リクルーティングの全体像

前提として、Rettyではサービスを利用していただいているユーザーさんへのインタビュー時には、社内でリクルーティングを実施しています。 全体としては次の4ステップでリクルーティングを実施していることが多いです。

  1. 行動ログから候補となるユーザーさんを選定
  2. アンケートによる打診およびスクリーニング
  3. 日程調整
  4. インタビュー実施

リクルーティングのステップ

ここからは各ステップで実際に行っていることと、気をつけていることを簡単に述べていきます。

①行動ログから候補となるユーザーさんを選定

RettyではBigQueryを使って日々のユーザーさんの行動をログとして蓄積しています。 最初のステップでは、この行動ログからインタビューの目的に応じたユーザーさんを探していきます。

Rettyでネット予約をご利用いただいているユーザーさんなど、特定の行動を行なっているユーザーさんを選定することが多いです。

ここで注意していることは、あまり絞り込みすぎないことです。目的にぴったりのユーザーさんがいたとしても、そのユーザーさんがインタビューを受けていただけるとは限りません。

人数に余裕を持っておくとユーザーさんとの都合が合わなかった場合などに調整ができます。実際には、数十〜数百ぐらいまでを目安に絞り込むことが多いです。

選定例

②アンケートによる打診およびスクリーニング

次は、アンケートを利用して実際にインタビューを受けていただけるユーザーさんを集めます。

Googleフォームで簡易的なものを用意し、インタビューを受けていただくことが可能か、可能な場合は連絡先やデモグラフィック情報を回答していただいています。アンケートはアプリのお知らせとPUSH通知を活用し、行動ログから選定したユーザーさんに絞って配信を行なっています。

また、行動ログでは把握できない定性的な情報を質問項目として組み込んでおくことで、インタビューの打診と合わせてスクリーニングを行っています。回答率を下げないため、アンケートは数分で完了する程度に質問項目数を抑えています。

ここではアンケート配信のタイミングに注意しています。土日に利用していただくことが多いこと、回答が集まるまで概ね2〜3日が必要なことから、金曜日に配信していることが多いです。

アンケート例

スクリーニング例

③日程調整

アンケートの結果を元に日程調整のご連絡をします。ユーザーさんとのコミュニケーションについては、普段からユーザーさんとのやりとりを行っていただいているCSから連絡をしています。

データアナリストとCSの連携は、以下のようなフローをとっています。

  1. [データアナリスト] インタビュー候補の日程をGoogleカレンダーに登録
  2. [データアナリスト] Slackで日程調整をCSに依頼
  3. [CS] ユーザーさんへ日程調整のご連絡
  4. [CS] Slackワークフローで確定した日程をデータアナリストへ通知

ここでは情報の取り扱いに注意が必要です。アンケートでは個人情報を収集しているため、社内での個人情報の取扱規則に基づき、アンケート結果を閲覧できるのは担当者のみに絞っておきます。

Slack上での実際のやりとりはこのようになっています。

④インタビュー実施

いざインタビュー実施ですが、ここでも気をつけておくことがあります。

実施までにユーザーさんの都合が合わなくなる場合や、インタビューの時間にユーザーさんが来られなくなる場合など、リスケが必要になることがあります。

リマインドのご連絡を行なっておくことで少なくすることはできますが、どうしてもゼロにすることはできないので、あらかじめ対応を決めています。

インタビュー当日に10分経過してユーザーさんが来られていない場合は、CSからユーザーさんに連絡を取っていただいています。アンケートで記入いただいている連絡先はメールアドレスのみなので、メールでリスケしたい旨をご連絡しています。

リクルーティングのコツ

運用フローをしっかりと定めておくことがスムーズなリクルーティングにつながっていると思います。

個人情報の管理が適切に行われるようにインタビュー履歴を残していくようにしており、その運用方法をマニュアル化しています。また、日程調整についてはSlackワークフローを用意していることに加え、ユーザーさんへ送るメールの文面も素早く作成できるように工夫をしています。

運用フローを定めていることでリクルーティングに必要な日数を削減できていますし、データアナリスト以外でもユーザーインタビューが実施できるようになってきています。

おわりに

リクルーティングは行うことがある程度決まっている分、定型化することでかなり日数を短縮できる部分だと思います。お知らせなどRettyの独自機能を利用している部分もありますが、事例のひとつとして参考になればと思います。

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