Rettyアプリチームの若田(@wakanao_banana )です!この記事はRetty Advent Calendar 2024の7日目の記事です🗓️
今回のテーマは「リリース文言」についてです。これまでのリリース文言作成の課題とその解消、そして現在Rettyで運用されているリリース文言の作成フローについてご紹介します!
リリース文言について
アプリのアップデート情報は、AppStoreでは「このバージョンの最新情報」、Google Play ストアでは「リリースノート」に掲載されます(以下両者を合わせて「リリース文言」とします)
このリリース文言はアプリによって様々で、定型文で運用されているもの、箇条書きで簡潔に変更点を伝えるもの、変更点をユーモアのある表現で伝えているものなどが見られます。
Rettyでの取り組み
Rettyでは、リリース文言は単なる通知ではなくユーザーさんに価値を伝える大切な場所の一つと考えています。そのため現在は限られたリソースの中で、開発チーム・CS(カスタマーサポート)・広報・プランナーが協力をしながら毎週のリリース文言をお届けしています。
次に現在運用されているフローに至るまでの話と具体的なリリース文言の作成フローについてお話しします。
リリース文言作成フローが制定されるまでの話
以前は属人化した運用だった
各チームが協力しながらリリース文言を作成するようになったのは最近のことです。それまではリリース文言の作成を1人のプランナーさんが担当していたり、その後は私が引き継ぎ数ヶ月の間対応をしていたりなど、個人に依存した運用になっていました。
そして私自身がリリース文言の作成を担当する中で、いくつかの課題感を覚えるようになりました。
- 属人化により将来も継続的にリリース文言を作成することが難しい
- 文言作成に時間がかかり負担が大きい
- リリース文言への期待値が明文化されておらず、目指すべき理想がバラバラ
こうした課題を解決するために、新しいフローを検討する必要性を強く感じました。
各チームの課題感
課題感を開発チーム・CS・広報・プランナーに共有をすると、各チームがそれぞれの課題感を覚えていることがわかりました
- 開発チーム(私):属人化していて負担が大きい。
- CSチーム:リリース文言と、CSチームで出しているお知らせ文言にズレが生じることがある。
- 広報:施策がリリースされるタイミングを把握しづらい。全体のコミュニケーション設計ができていない。
- プランナー:施策の価値を伝えたいが、伝えるタイミングや調整方法が不明確だった。
これらの課題を解消するために、各チームのメンバーが集まり全体最適を目指したMTGを開催しました。
結果として次に説明するフローが制定され、課題を解消することでき、現在も安定して運用されています。
リリース文言の作成フロー
現在運用されているフローの大枠は以下の通りです:
- [プランナー]:施策を作成時にissueにリリース文言の叩きを作成しておく
- [開発チーム]:週に一度の定期リリースに乗る施策で、リリース文言が必要な施策があればCSチームに共有する
- [CSチーム]:共有されたリリース文言の叩きを元に、リリース文言を確定させる
- [開発チーム]:確定したリリース文言をアプリの申請時に提出
- [CSチーム・広報]:必要があればお知らせを出す
Slackワークフローを用いた具体的な運用
アプリのリリースは毎週火曜日に定期的に行われているため、そのような定期タスクと相性が良いSlackワークフローを用いて、リリース文言の作成フローが運用されています。
1. [プランナー]:施策を作成時にissueにリリース文言の叩きを作成しておく
プランナーさんは、このように書きたいリリース文言があればissueにプランナーが記載をします。施策を考えるプランナーがリリース文言の叩きを考えることでユーザーさんに伝えたい施策の価値を明確にします。
2. [開発チーム]:週に一度の定期リリースに乗る施策で、リリース文言が必要な施策があればCSチームに共有する
毎週水曜日にSlackワークフローが起動し、リリース内容を把握している開発チームが、次のリリースに乗る施策をCSチームに共有をします
3. [CSチーム]:共有されたリリース文言の叩きを元に、リリース文言を確定させる
共有したissue・リリース文言を元に、ユーザーさんへ伝える言葉選びがとても丁寧なCSチームで、リリース文言を作成・確定してもらいます。
4. [開発チーム]:確定したリリース文言をアプリの申請時に提出
確定した文言をアプリのリリース時に AppStore / GooglePlayStore で提出します
5. [CSチーム・広報]:必要があればお知らせを出す
目玉の機能などをリリースした際には、CSチームにアプリ内でお知らせを配信してもらいます
以上の5ステップでリリース文言が運用されています。
(あとがき)フロー制定までの苦労と学び
リリース文言作成フローの制定はとても苦労しました...! まずは私自身がリリース文言の作成に挑戦したのですが、それは上手くいきませんでした😅 「自由にユーモアあふれる表現でリリース内容を伝えたい!」と思い始めたのですが、会社のアプリとなるとそうもいかず、真面目にRettyの世界観に沿った言葉を考える必要がありました(←当たり前!!) 最初はリリース文言を考えるのが楽しかったのですが、縛られた状況で良い塩梅の文言を考えるのがとても難しく、次第に負担に感じるようになってきました。「これはいかん」と思いリリース文言作成のマニュアルやチェックリストを作ってはみたものの上手くいかず、負担が解消されない状態がしばらく続きました。このままだと数年後にも誰かが同じ想いをするだろうから、継続的にリリース文言を作成できるような枠組みを作りたいと考えるようになりました。そしてチームメンバーに相談したり他チームにヒアリングする中で根本的な課題はRettyとしてリリース文言の位置付けが定まっていないことだとわかり、そこからすぐに課題解決のために動き始めました🚀 各チームの課題の洗い出し・フローの叩き作成・関係者を集めたMTGの設定などを皆さんの協力のもと行い、フローの制定に至ることができました。複数チームを巻き込み主導権を握りながら、長い間解決できていなかった課題に向かうという経験が仕事では初めてだったのでとても良い経験になりました。またその中でドキュメンテーションやSlackワークフローなど具体的な手法を用いて業務に落とし込むという貴重な経験もできたのでとても大きな学びとなりました!
大変だと感じることも多くリリース文言作成に挑戦し始めた自分を恨むときもありましたが、全て自分の血となり肉となっています!昔の自分と協力してくださったみなさんに感謝しています!😊
最後まで見てくださった方の参考になれば幸いです😊