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ちょっとした工夫で、バックログリファインメントに参加する際の心理的安全性とストーリーポイントの精度を高めた話

ちょっとした工夫で、バックログリファインメントに参加する際の心理的安全性とストーリーポイントの精度を高めた話

この記事はRetty Advent Calendar Part220日目の記事です。 ※ Part1はこちら

目次

はじめに

Rettyでバックエンドエンジニア兼スクラムマスターをしている鈴木です。RettyではtoB領域とtoC領域のサービスがありますが、toC領域のサービスを実装するチーム「昭和チーム」に所属しています。(現在toC領域のチームはあんこう/シャチ/昭和の3チームがあります)

今回は振り返りの中で出た"リファインメントに参加するハードルが高い"という話に向き合い、原因の把握・付随する問題・解決方法の模索と実践を行なったことでリファインメントに参加する心理的安全性とストーリーポイント(以下SP)の精度を高める事ができた話を紹介します。

まずは、話の前提としてチームの事と、日々のスクラムイベントについて少し書いておきたいと思います。(詳細は割愛します)

チームの紹介とtoC側のリファインメントについて

メンバー構成

メンバーの内訳は以下の通りでドメイン知識が少ない人が半数以上です。

  • 新卒:2人
  • 2022/9 入社の中途:1人
  • 古株:2人(私含む)

(新卒の子ももうすぐ2年目になると思うと、感慨深いというか、1年があっという間だったなぁ・・・と感じてしまいます・・・。)

toC側のリファインメント

リファインメントはほぼ毎日行われており、リファインメントの時間には複数チームから代表者が集まり、新たに作成されたissueのSPを決めています。(昭和チームではメンバー持ち回りで1~2名程度でリファインメントに出席)

ハードルが高いと感じる原因について

ハードルが高いと言うと解像度が低いので、深掘りして原因を探ると以下が原因でした。

  • リファインメントに参加しても知識不足から懸念点などが洗い出せない為、そのままポイントをつけることに対して抵抗がある

新卒の子は特にドメイン知識だけではなく、チーム開発などの経験も少ないこともあり、この傾向があるようでした。

付随する問題

特にそれによって大きな問題が発生しないのであれば即座に解決すべき問題としては捉えなかったのですが、付随する問題として、懸念点がその場で出しづらい事により、実際に着手した際に問題が発覚しpendingになったり、想定よりも大きいポイントになる事がありました。全てにおいて不確実性はあり、リファインメントに精度を求めすぎる必要はないとは思いつつも着手時に問題が発覚するのはできるだけ避けたい事象ではあるので、どうしたらリファインメントに対する心理的安全性を高めながら精度を上げる事ができるかを考える必要がありました。

解決法の模索

持ち回りせずにわかる人がリファインメントに出るでも良いのですが、今後も新しい人が入るたびに発生する事象であるし、特定の人に知識が偏ってしまうと感じた為、長く続けられる方法を模索しました。単純にリファインメントに不安があるのは

  • ドメイン知識がないから複雑性がわからず意見を出せないので自分が出ても意味がないのでは?
  • 1人だと懸念点など見落としてしまって後から問題が発覚してしまうのでは?

という考えからきているということがわかったので、以下の方法を取ることにしました。

1. リファインメントの内容をチームで確認する

この目的はSPをつけることではなく、知識の横展開とリファインメントのハードルを下げる事です。リファインメント前に10分ほどチームで集まり、リファインメント対象のissueに対して懸念点・質問を全員で考えるだけなのですが、ブレストすると1人で考えるよりも色々な視点での懸念や質問が出てきますし、知見のある人からの知識の横展開ができます。また、メンバー内では意見が統一されているので誰が出ても話す内容の質は変わりづらいという利点があります。(時間はかけすぎないように意識する必要はあり)

2. ストーリーポイント定規の作成と定期的な見直し

ストーリーポイント定規※の作成の目的は新たに意識してリファインメントに望むべきポイントの発見です。リファインメント時には気づかなかった懸念を実際の工数とSPを比較して大きくずれていた場合、ずれていた箇所を振り返って確認することによって、SPをつける際の新たな視点を身につけ、精度をあげる効果が期待できます。
※ストーリポイント定規についてや作成に関しては、こちらのアドベントカレンダーに詳しく載っているのでぜひ!
この2点を繰り返し行うことで、リファインメントに対しての心理的安全性やSPの精度を高めることができました。
現在はスプリントに大きな影響を与えることなく進めることができるようになっています。

終わりに

短い時間でできるちょっとした工夫ですが、チームで解決をしていくというスクラムチームならではの解決法だったのではないかなと思います。 同じようなことで悩んでいる方がいれば、一つの例として参考にしていただければ幸いです☺️
クリスマスイブまであと4日!🎄残りの記事も引き続きお楽しみください✨